十津川くまの特急バス全線乗車の記録

十津川くまの特急バスって何?と仰る方がほとんどでしょう(笑)、しかしバスマニアの間ではかなり
有名な路線バス。その名の通り、北側は近鉄大阪線八木駅前からJR紀勢本線の新宮駅間を
高速道路や有料道路を使用せず、約6時間半の所要時間で走破する日本最長の路線バスとも
いうべき存在の路線バスなのであります。私は幼い頃からのテッチャンであった為(爆)この存在は
知っていました。昔は日本交通公社(現JTB)発行の分厚い時刻表を買い込み、日夜バーチャルな
旅を楽しんだものであります(暗い?)、その時刻表にも当然、このバス路線は掲載されており
昔は、奈良大仏前から新宮間を結んでいましたからさらにビックリしますよね!なんと所要時間は
8時間余り!凄いとしか言いようがないというか、こういうバス路線を最初に起案した人はエライ!
などと思うわけです。当時、もう一つのルート北山峡経由のバスもあり、こちらはR169号線経由で
熊野市経由の新宮駅だったと記憶しています。さてさて、本題の十津川くまの特急ですが、昭和
38年から地元の足として、観光客の足として活躍し、二十数年前までは熊野交通も、ピンク色の
車体を揺らせ、橋本まで路線があったと記憶しています。現在は、当時からは縮小されたものの
八木〜新宮間に毎日3往復のダイヤが設定されています。車輌の方は、高速バスのようなフル
サイズ12m車などは通れる道ではないので、昔から一般路線車とはひと味違う車輌が投入され
てきました。現在は、11年前に新製配置された日野HU3KLLAなる10mボディーのいわゆる
短尺車で、且つパワーの大きなエンジンを搭載し、おそらくギアレーションも変更された山仕様の
車輌が、葛城営業所(奈良県)に配置され、なぜかドライバーは和歌山の南紀営業所所属の
はえぬき専属ドライバーが長丁場の勤務に就いておられます。基本的に朝、南紀を出庫し
その日に八木まで乗務、その後区間便担当して、葛城営業所泊まり、翌朝逆ルートで南紀に戻る
仕業の様です。私も今回初めて全線乗車しましたが、ドライバー氏の運転は長丁場にかかわらず
いつも沈着冷静、その道を知り尽くしたプロと申し上げて良いと存じます。人命を預かり流石の
運転で今日も走行されているのでしょう、頭が下がる思いです。ではでは私の乗車記録を簡単に
まとめましたので、ご覧下さい。コレを読まれて奈良交通などへの問い合わせ、質問などは
業務支障となりますのでおやめ下さい。バス好きオヤジの乗車記録ですお気楽にどうぞ


夏の日のとある休日、連休が取れたのでいざ出発、もちろん家族も巻き込み(笑)
北側の出発地点、近鉄八木駅2番乗り場、誇らしげに「特急」に2文字
出発20分前に行くともう結構人が大きな荷物を持ってバスをお待ちでした


私たちが乗る、この日2便目の前に「下市町岩森」行きが発車します
ここも少し前までは大型車が奈良駅などから直接乗り入れて居ましたが
いまはリエッセとバスのおかれた環境を表しています


さてさて、待ちに待った十津川くまの特急「新宮」行きの入線です
ここ八木のバス乗り場は狭く、一般車も通行するため、
出発時間ぎりぎりまで近くに待機し入線してきます。


このボディー横に掲げられた方向版


八木駅でほぼ50%程度の乗車率で、新宮駅までの
長い旅が始まります。ドライバー氏も途中乗務交代無しで
長駆新宮駅まで乗務されます。お疲れ様です


途中の五条バスセンターまではR24号線を高田市経由で
南下して行きます。驚いたことにこの区間は各駅に止まりますので
結構区間乗車の方が居ること..ちょっとびっくり


こちらが運賃表示器、凄い数の区間、長距離ワンマンバスですね


途中、3便目になる車輌とすれ違います。葛城営業所から
八木までは回送ではなくちゃんとお仕事するのですね


さて、八木を出てから1時間半ほどで五条バスセンターに到着
ココで1回目の休憩を10分ほどとります。ここから狭窄路の始まり
です。大きなワンマンカーという看板、一般ドライバー相手で大変なのでしょう


五条バスセンターを出た新宮行きはそのまま168号線には入らず
JR五条駅に立ち寄ります。ここでキャンプ道具をいっぱい持った
若者たちを乗せほぼ80%程度の乗車で秘境十津川を目指します


いよいよ見慣れた風景とはおさらばして山間の国道を分け入って
行きます。五条を出てしばらく行くと、朝新宮を5時に出た上り1便目と
すれ違います。ご安全にぃ〜


さらに進むと所々に1車線となり、高度を上げて行きます
第1の難所天辻峠です。冬場は降雪地帯、バスもチェーンを
捲く大変な道と変貌します。


いよいよ天辻トンネル到着、ご覧の様に長い隧道にも
かかわらず大型車2台がスムーズに離合するのは
難しいトンネルで、対向車線の様子を注視しながら進みます